工夫をすれば海外大学進学は安くなる
海外の大学に留学するには、多額の資金が必要です。しかし留学内容によって、費用には数百万円の差が出ます。さまざまな工夫をすれば、費用を許容範囲に収めることも夢ではありません。
こちらでは留学費用を現実的かつ大幅に安くできる方法をご紹介します。特に効果的な編入留学については、実際にかかる学費も含めて詳しく解説します。費用面で留学を迷っている方は、必見です!
海外大学留学が安くなる方法5選
留学費用を抑えるには、まとまった資金が手に入ったり、大きな額が削減できたりする方法が効果的です。また留学を始める前に計画や準備をすることで、大きな効果が出ます。留学プランを考える際は下記の方法を参考に、留学費用を抑えてみましょう。
奨学金を利用する
大学留学で利用できる奨学金は、国や地方自治体、一般企業などから提供されています。奨学金には2種類あり、返済が必要な付与型には利子がつくものがあります。返済が必要ない給付型は、一般的に付与型よりも審査が厳しいです。留学で有名な奨学金には日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度や、文部科学省のトビタテ!留学JAPANがあります。
留学費用が安い国を選ぶ
留学で必要な学費や滞在費、生活費は、国によって大きく変わります。安い費用で留学できる国として有名なのは、マレーシアやアイルランド、カナダ、ニュージーランドなどです。特にマレーシアは、アメリカやイギリスなどの約半分の費用で留学ができるため、近年注目されています。
地方の大学を選ぶ
地方の大学は都心部よりも学費が安い傾向にあり、1年間で数十万円から数百万円の差が出ます。また滞在費や生活費なども安くなります。特に家賃が安いのはメリットで、都会と比べると年間数十万円が節約できます。地方は娯楽が少なく、お金を使う機会が少ないのもポイントです。
コミカレから編入する
コミュニティカレッジとは、日本の短期大学にあたる2年制大学です。4年制大学よりも学費が安いことから、費用を節約したい留学生に選ばれています。コミカレを卒業後は4年制大学の3年次に編入できるため、トータルの費用が抑えられます。
他国の大学から編入する
他国の大学と提携がある学校では、編入制度を利用できます。欧米圏の大学は費用が厳しいという方は、提携先の他国の大学から編入すると、トータルの留学費用が抑えられる可能性があります。
特にマレーシアはおすすめの留学先です。ツイニングプログラムや編入プログラムを活用すると、欧米の大学に通う半分ほどの費用で留学できます。
現実的?コスパが悪い?要注意な方法2選
留学費用を抑える方法としては、以下も挙げられます。しかし状況によっては現実的でなかったり、大きな効果が出なかったりするので注意が必要です。
学士課程が3年の大学へ行く
イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどは学士課程が3年です。そのためトータルの学費が抑えられるように見えます。
しかしこれらの国では、日本の高校卒業資格が大学の入学資格として認められないため、大学進学の前に1年間のファウンデーションコースに通う必要があります。結果として大学留学期間が4年となるため、留学費用を大幅に節約できないケースがあります。
アルバイトをする
多くの留学先では、学生ビザでアルバイトができます。しかし日本の大学生のようには働けないケースが多いです。
海外の大学は課題が多く、授業についていくための予習も必要です。特に留学の初期は英語に慣れていないため、勉強に多くの時間を割きます。現実的にアルバイトの時間を確保するのは難しいため、大きな額の節約ができない可能性があります。
学びたい大学の費用を安くする編入留学
大学留学では、学費が全体の費用の50%以上を占めます。そのため学費が節約できると、留学費用が抑えやすいです。
そこで注目なのが、編入留学です。大学編入制度を活用すると、希望の大学を諦めることなく全体の留学費用を抑えられます。下記では2種類の大学編入パターンについて、費用の解説も交えながらご紹介します。
コミカレから4年制大学への編入
アメリカやカナダのコミカレは、州立の2年制大学です。日本の専門学校や短期大学にあたり、職業訓練に強い性質があります。卒業すると準学士号や資格が取れます。またほとんどのコミカレは、4年制大学よりも学費が安いです。
どのような編入方法?
アメリカやカナダではコミカレで2年学んだのち、4年制大学の3年次に編入できます。コミカレの大学編入コースでは、4年制大学の1〜2年次に履修する一般教養や専門分野の基礎科目を学びます。それらの単位を大学編入時に移行すると、4年制大学では専門分野の勉強が続けられます。
その他の国でも、コミカレにあたる専門学校や職業訓練校から4年制大学へ編入できるルートがあります。
コミカレから編入するメリット
コミカレの学費は、4年制大学の半分ほどのケースが多いです。そのためはじめから4年制大学に通うよりも、学費が大幅に抑えられます。
またコミカレは、4年制大学よりも入学条件が易しいのもポイントです。英語力や高校の成績が大学入学の条件に満たない方でも、大学進学に挑戦できます。
コミカレからの編入留学費用シミュレーション
コミカレや大学の学費の目安は、州ごとに大きく異なります。下記はアメリカ留学で人気がある都市と州別に、学費の平均を表したものです。コミカレから4年制大学へ編入した場合は、250〜950万円の差が出ることがわかります。
都市&州 |
コミカレ→州立大学へ編入(4年) |
州立大学(4年) |
コミカレ→私立大学へ編入(4年) |
私立大学(4年) |
ニューヨーク(ニューヨーク州) |
820万円 |
1,160万円 |
1,290万円 |
2,120万円 |
ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴ(カリフォルニア州) |
1,030万円 |
1,650万円 |
1,160万円 |
1,890万円 |
シアトル(ワシントン州) |
940万円 |
1,540万円 |
1,180万円 |
2,040万円 |
シカゴ(イリノイ州) |
1,050万円 |
1,510万円 |
1,200万円 |
1,820万円 |
ボストン(マサチューセッツ州) |
1,090万円 |
1,630万円 |
1,500万円 |
2,450万円 |
ホノルル(ハワイ州) |
1,030万円 |
1,630万円 |
670万円 |
920万円 |
大学の学費は、州や学校によって大きく異なります。上記の表から分かるように、平均値から留学費用の見積もりを正確に出すのは難しいです。費用を見積もる際は、コミカレや進学先の大学を絞っておきましょう。また希望の留学先がある場合は、留学エージェントに相談して見積もりをもらうのがおすすめです。
マレーシアからイギリスなど学士課程が3年の大学に編入する際は、ツイニングプログラムを利用します。ツイニングプログラムには1+2型や2+1型、3+0型があり、それぞれで編入前と編入後の就学期間が異なります。マレーシアではイギリスのノッティンガム大学やオーストラリアのモナシュ大学の分校が有名です。
またアメリカやカナダの有名大学に編入できる学校も多数あります。例えばサンウェイ大学からはアメリカの西ミシガン大学や、カナダのトップ大学であるトロント大学などに編入できます。
国によっては、留学全体の費用が格段に安くなります。特にマレーシアの留学費用は欧米の半分ほどなので、欧米の大学を費用の問題で難しいと感じている方にとって魅力的です。
また複数の国に留学できるのもポイントです。海外生活や異文化を体験することは、留学で得られるものとして勉強と同じくらいの価値があります。複数の国での経験は、一国での留学よりも視野を広げ、人生を豊かにしてくれるでしょう。